京繍〜きょうぬい〜伝統工芸士

刺繍教室

刺繍教室は令和2年に閉講致しました。

花澤 浩子さんに刺繍教室を引き継いで頂きました。

 

碓氷製糸工場の紹介


工房下司で京繍に使用する「絹糸」は群馬県の碓氷製糸工場で生産された
純国産の生糸を使用しています。

今や日本では製糸工場は山形県の松岡製糸と群馬県の碓氷製糸と全国で2ヵ所しかありません。
最盛期では碓氷製糸のある松井田、安中だけで100万キロを超える繭を取り扱ったのが
今では26万キロととても減産し、貴重なものとなっています。

①生繭の搬入

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碓氷製糸工場の手前には桑畑が広がっています。

②乾繭(乾燥)

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運ばれた繭は2日のうちに長期保存できるように乾燥処理を行います。
この乾燥機口に袋で入ってきた生繭を投入します。乾燥機口からはいった
生繭は中の高温熱風がでる大型乾燥機で約5~6時間かけて乾燥させます。
3台ある乾燥機を使って主に扱われる繭の種類、16種類を繭ごとに分けて乾燥させます。

③貯繭(貯蔵)

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乾燥し、保管できる状態になった繭を保存します。
ベルトコンベアによって運ばれた繭は乾燥機の下にある倉庫に保管されます。
この貯蔵繭を一年中保管し、必要に応じて繰糸する量だけ取り出し、使用します。

こういった繭の貯蔵倉庫は「蜂の巣倉庫」と呼ばれ蜂の巣のように貯蔵穴が分かれていて
春繭や、夏繭、産地、品種によってわかれています。

④選繭(選別)

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運び込まれた繭は乾燥され倉庫に保管され、必要な量を取り出して繰糸されます。
その最初の作業が、選繭です。
下から光を当てて、繭の中の様子を見て、状態の悪いものを探します。
繭の中の蛹が病気で死んだものは溶け出すことがあるためです。
そういう繭が混じると糸を汚してしまうので
人の目で確認し、手作業ではじかれます。
⑤煮繭
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数個の繭から糸を抱き合わせて1本の糸にします。
糸は同じ太さでなければならないので
糸が細くなると、自動的に機械が検知し新しい繭が自動的に補充されます。
節があると機械は止まるのでそれを取り除いて結び直します。
この作業は基本的に人が行いますが後は完全に自動繰糸です。
240器ある機械を通常二人で機械を監視しています。
⑦揚げ返し、チーズ巻き
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糸を乾燥させながらさらに巻き取ります。
また織物にするときに便利な糸の太さに抱き合わせします。
⑧仕上げ
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糸をカセでねじって5キロの束にしたものを箱に詰めます。
1箱が30キロです。
糸は緊張がない状態で置いておくのが良いので
通常はゆったりとした「カセ」の状態で出荷されます。